左手のピアニスト
2017.05.29 更新
先日、友人から左手のピアニストの演奏を見てきたと聞きました。
彼の名前は、智内 威雄(ちない たけお)。
父親は、有名な今治出身の画家、智内 兄助(ちない きょうすけ)。
ドイツの音楽大学校に留学し、二年生でジストニアを発症。
右手の親指が麻痺し、ピアニスト生命を絶たれました。
歴史のある音楽大学には過去にも多くの片手のピアニストが存在し、
残された膨大な楽譜があることを知ります。
それが、過去のものとして忘れ去られようとしている現実を見て、
それらを復活させることが自分の使命だと、
再びステージに立つことを決意したそうです。
現在彼は、日本を中心に演奏活動や講演、片手で弾けるピアノ楽譜の出版など、
幅広く活躍されているとのこと。(興味のある方は検索してみて下さい!)
演奏会の後、父親との対談があり、
将来の夢を無くし絶望していた彼に父親がかけたことばが、
「お前ね、俺からしたら両手でピアノを弾ける方がおかしい。
俺なんか、ずっと右手だけで絵を描いてきたんだから。」
と、慰めとも励ましとも言えないようなこのことばに笑ってしまったとのこと。
この父親のぶっきらぼうなことばに愛情を感じました。
もうすぐ父の日ですね。